「カツオです。休載仲間だった冨樫の裏切りを知り、せめて年に1回ぐらいはと…。そして、全裸で天空の剣を構える姉さんの姿はまさにパワフル・ウーマン……。恥も外聞もかなぐり捨てた女の底力を見た僕の頭には、そんな言葉がよぎっていて…」
「姉さん…ッ、暗黒大陸到着までには決着をつけてくれよ…!」
「あ…ああ……バカな…!バカな!バカな!!バカな!!!なぜッ、サザエさんが天空の剣を抜けるッッ!?あいつは出来損ないの人造勇者<アーティファクチュアルブレイブ>に過ぎないんだぞッ!?」
「中高年単身者の見苦しい動揺…!お姉ちゃん、今よ!」
「分かってる!マスオさん、アレちょうだい!」
「もう魔力もほぼ残ってないから、これが最後かな…!あとは嫁さんに全てを託す…!韋駄天の煌めき!ピオリムッ!!」
「!!いかんッッ……!!」
「もう遅いわよ、センセイ!!覇ッッ!!」
「がっ…は…ッッ……!」
「き…決まった!天空の剣による一撃!無趣味の中高年が現金一括払いで買った魔法の鎧を斬り砕いた!!」
「筋力強化身体<バイキルティングボディ>と速力強化脚部<ピオリミングレッグ>の合わせ技ね!一瞬で間合いを詰めて、重い斬撃を叩き込む!」
「バイキルトで全身の筋力が強化されているところに、ピオリムによる脚部の筋力と運動神経のさらなる強化でーす!丸太のように逞しくなったママの脚が地割れを起こさんばかりに大地を踏みしめる姿は、まさに大樹が地に根を張るが如くでーす!揺るがぬ下半身こそ斬撃の要であり、腕力だけでは決して辿り着けぬ境地でーす!」
「だけど、補助魔法は対象者の肉体に大きな負担をかける…。タラちゃんには申し訳ないけど、戦士としてのキャリアが長いサザエは、もう二人目は産めない体なんだ…。これ以上の補助魔法は月経自体を止めかねない…!」
「マスオさん、私は何も後悔してないわ!24で閉経しようと、それが女戦士の宿命なら!!」
「ぐうううう…!それにしても、それにしてもだ…。魔法の鎧の高い硬度はバカな女子大生だって知ってるんだぞ!二人目を犠牲にしたとしても、バイキルトとピオリムでここまでの重い斬撃を実現できるものなのか…!?そもそも、出来損ないであるはずのお前がなぜ天空の剣を…!納得のいく説明をしろッ…!」
「こんなところで一人っ子宣告をされるボクの身にもなって欲しいでーす!」
次回を待て!