「カツオです。お父さんの頭頂部のラスト・サバイバーが消えてしまったら、自分の父親がシンプルにハゲになってしまうという事実に暗澹としながらも、反抗期にハゲ親父と罵れるのであれば、武器を一つ手に入れたような気分にもなるのです…!」
「姉さんがやられて、マスオ兄さんがやられて、お父さんもお母さんもやられてッ!もうどうにもなんねぇのかよ!くそっ!くそっ!くそっ!」
「この期に及んでも自分で状況を改善しようという気は微塵もなく、誰かがなんとかしてくれるのを期待しながら悪態をつくだけの人間が自分の叔父かと思うと、イヤになってくるでーす!」
「僕は常識人だっ!わけのわからない魔法だなんだってやってる連中に付き合いきれるかよッ……!」
「磯野!自分の父親がハゲになるかどうかの瀬戸際だぞ!こちらに注目しろ!」
「あああああッ!ストレスで僕が若ハゲになりそうだ!」
「ストレスフルな現代社会を直視しろ、磯野!そして波平にとってはこれがストレスからの解放になるだろう!死ねやああああ!!波へ……がっ!!ぐおおおおおおおッツ!?!?」
「なっ、なに今のッ!?大きな鋭い矢みたいなモノが突然飛来して、先生がぶっ飛ばされたわ!!」
「そっ、それよりお父さんのラスト・サバイバーは無事か!?」
「無事でーす!大地にしっかり根付いて風にそよいでいるでーす!」
「な……何が起こった…?どこからの攻撃だッ?いや…誰からの攻撃だッ!?もう磯野家は壊滅させたはずだ!姿を見せろッ!!」
「ニャア」
「タ、タマ!!タマだッ!!」
「なにぃッ!?磯野ォ、猫を飼っていたのかッ!?生徒の生活環境を把握しきれていなかったというのか!この私が!」
「……リサーチ不足だったようだね…」
「マ、マスオ兄さん!ラリホーが解けたのか…!」
「まだ…本調子ってわけじゃないけどね……。タマは最悪の事態に備えて別行動させてたんだけど、保険をかけておいて正解だったみたいだな…。この戦いが終わったら、僕も妻子のために生命保険を検討してみるか…」
「バカめ、保険会社にパンフを請求する必要はない。なぜなら、お前はここで死ぬからだ。不意をつかれただけで、猫畜生一匹来たところで今更どうにもならん!」
「それはどうかな…。タマが持ってきたモノを見ても、同じことが言えるかい…?」
「先生をぶっ飛ばしたデカい矢……地面に突き刺さってるけど……、いや…矢じゃない…!あれって…剣か……!?」
「そう……剣だ……。それも、とびきり上等の…。名を天空の剣<カリバー・オブ・セレス>という……!」
次回を待て!