「カツオです。両親のメラミが先生を焼き、全てが終わって欲しいと願う数秒間を僕は永遠と感じ、今まで艱難辛苦が僕の脳裏をよぎっていくのです…」
「やったか!?」
「カツオお兄ちゃん、その台詞はダメでーす!」
「あ、やべ……」
「ぐっ…ああっ…お…おっ……!」
「嘘でしょ…!あのおっさん、メラミの業火の中から這いずり出してきてるッ…!」
「あらまぁ……。お父さん、珍しいこともあるものですね……」
「灼き切れなかった、ということか。ワシに油断は無かったはずだが…」
「ぐっ…あがっ……。さすが、本当にさすがだよ、磯野夫妻…。これを纏っていなければ死んでいた…!」
「ああっ!あれって魔法の鎧じゃないのか!?先生は中高年丸出しのクソダサ背広の下に魔法の鎧を着込んでたっていうのか!?」
「魔力による攻撃の威力を大きく減衰させる効果を持つ鎧…!市販品……いや、お金を積んで買える鎧の中じゃ最上位って言われてるシロモノじゃん…!」
「中身はそーとーイカしてたってことでーす!」
「で、でもッ!メラミのダメージはかなり大きいはず!ここで一気に攻め込めば勝てるよ!そうだろ、お父さん!?」
「…フン、そうはさせんよ。やはり磯野家相手になりふり構っていられないな。使いたくなかったが、奥の手を使うッ…!磯野波平よ、この力こそ我が魔導研究の集大成だ!ぜひ、あなたに採点して欲しい!!覇ァッ!!!」
「なっ…なんだ…?先生から放出される魔力の質が変わって……?」
「……!!いかんッ、まさかあやつの奥の手とは…!!」
「おおおおおおッッッ!!そうだッ、これが私の切り札!進化の秘法だ!!」
「し、進化の秘法って、大昔に魔族の王デスピサロが使ったっていうアレのこと!?ちょっとこれ、マジでヤバいわ…!」
次回を待て!