ファッション化するオタク文化 ~家族の再々集結を目指して~

2022年度も、海堂家は日本国の定めた新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン及び早稲田大学教旨に従い、模範国民を目指し、自主的な感染予防の為の取り組みを進めてまいります。

「カツオです。僕が拉致監禁強姦されていた先生のアトリエに乗り込んできた姉さんとマスオ兄さんは、先生とノリスケおじさんとの戦闘に突入しました。姉さんは先生の挑発で頭に血が上り、ノリスケおじさんは魔弾銃内蔵義手で強化されていて…。2対2となって攻防を展開する大人達を見守りながら、所在のなさを感じてしまう子供の自分に苛立ちを感じつつも、自分の隣にいる人がカオリちゃんではないことの切なさはいつまでも忘れられないのでした…」


「サザエと分断されたかッ…!これが狙いか、ノリスケくん!?」
「そうですよぉ!あんた達夫婦の一番の強みは連携だァ。距離さえ作りゃ、もうこっちのもんだ!」
「で、でも!マスオ兄さんだって、そう簡単には…!そ、そうだよね、早川さん!?」
「確かに、ノリスケさんのメラ連弾を回避し続ける身のこなしは流石だと思うけど…、どこまで保つかは分からないさね…」
「そーゆーことッ!当たるまで撃ち続けりゃいいんだ!こっちには予備カートリッジはまだまだあるんだから!」
「じゃあ…、燃やされる前にキミを刻むってのはどうだ…?立ち昇れ、烈風!バギッ!」
「よ、よしッ!マスオ兄さん得意の真空系呪文だ!防戦一方にはならない!」
「それはどうかなッ!」
「ああっ!バギが霧散したッ!?どうなってンの!?」
「くっ、魔法の盾か…!」
「こういう時のために用意しといたんですよ。かなり値は張りましたけどねェ」
「は、早川さん、あの盾は一体…?」
「魔力に対して耐性を持つ抗魔金属で作られた盾さね。メラにしてもバギにしても、呪文によって発生した火や竜巻は魔力を帯びていて、自然現象としての火や竜巻とは性質が異なるのさね。魔力を帯びているが故に、抗魔金属の前では減衰してしまう」
「そんな!」
「魔法の盾はかなりの希少品だからね。でも、呪文を完全に無力化できるってわけじゃないさね」
「よく見ると、ノリスケおじさんにもかすり傷はついてる…。でも、あの程度のダメージじゃ倒すには程遠いか…」
「マスオさん、僕は知ってんですよ。あなたにはバギマもあれば、バギクロスもあるってことを。使ったらどうです?」
「そっ、そうだ!バギクロスなら盾があっても、大きなダメージを与えられるはずだ!どうしてマスオ兄さんは使わないんだ!?」
「中級呪文、上級呪文は発動までに5、6秒はかかってしまう。詠唱に集中する間は、機敏な動きはできない。対応策も無しに、敵にそれだけの時間を与えればどうなるかってことさね…」
「ハハハ!この勝負もらいましたよ、マスオさん!攻撃手段に乏しい後衛職は、盾役の前衛職と分断された時点で大幅に弱体化する!武器は持っておらず、強力な呪文は使えず、使える呪文ではダメージを与えられず!さらに、アンタが装備してるその長ったらしいだけの貧弱なローブじゃ、僕のメラの直撃には耐えられない!自分は僧侶ですって周りにアピールしてるだけだ!一人じゃ何もできない男だってな!」
「……言いたいことはそれだけかい?」
「へぇ…、挑発的じゃん。じゃあ、そろそろ終わらせてやるよ。あんた達夫婦に殺されたタイ子の仇をとる!」
「自分で捨て駒にしておいて、よく言うな…」
「うるさいッ!これが僕達の夫婦の形なんだ!愛の形なんだ!他人の家庭に口をだすな!」
「うっ……、ノリスケおじさんの殺気が…パネェ…!」
「燃え死ねやぁ!マスオぉ!」
「怒りを吐き出すようなメラの連射!避けてくれッ、マスオ兄さん!」
「暑くてかなわないな…。これで少し頭を冷やしなよ、ノリスケくんッ…!」
「マスオ兄さん!?瓶なんか投げてる場合じゃないだろ!避けることに集中してッ!」
「瓶がノリスケさんに当って砕けた…。あの瓶、もしかして…」
「マスオぉ、おちょくってんのかぁ!?」
「ダメだ!ノリスケおじさんを怒らせただけだ!」
「だらッ!」
「ノリスケおじさん、なんて跳躍なんだ!空中からメラ連弾を放つ気か!?」
「いや、メラじゃないさね!」
「狂気の悦びの中で果てろ!メダパニ!」
メダパニ!?ノリスケおじさんはマスオ兄さんを混乱させるつもりか!?でも、あの角度じゃメダパニは地面に当たるだけだぞ!?」
「いや、狙いは別さね…!地面に激突したメダパニは拡散してランダムに周囲に散らばる!効果はだいぶ落ちるけど、回避は難しい!」
「ぐっ…、足がふらつくな…!」
「これでもう避けらんねぇだろ!マスオさんッ!」
「うわああああ、やっぱ本命はメラだった!落下しながらのメラ連弾!マスオ兄さんはもうおしまいだー!」
「……いや、終わるのは僕じゃない…!曇りなき鏡よ、災魔を遠ざけよ!マホターン!」
「メラが跳ね返る!やった!」
「だけど、マホターンで作れる鏡は脆いさね。連弾には耐えきれない…!」
「苦し紛れのマホターンかぁ!?それじゃ一時しのぎにしかならないって、あんたが一番よく分かってるはずだ!」
「ああっ、マホターンが砕けた!」
「おらぁ!零距離獲ったぜ!この距離ならメラ必中!死んだ!詰んだ!滅べ、マスオ!」
「零距離に来て欲しかったのさ…!ムウッ!!」
「がっ……はっ……!!」
「……なっ、なっ、何が起こったんだ!?ノリスケおじさんが横一閃で、両断された!?」
「磯野くんのお義兄さんはいつの間に剣を…!?あ、あの剣は…。なるほど、そういうことさね…」
「がっ…ぐっ……痛ぇ…痛ぇよぉ……マスオさんンン…ッ…!」
「ノリスケおじさんの臓物が飛び散って…!ううっ、吐きそ…」
「……ノリスケくん、君は3つのことを知らなかった。それが敗因だよ」
「ど、どういうこと、マスオ兄さん…?」
「一つ目、君は僧侶を知らなかった。魔法による攻撃と支援しかできない職と決めつけた。だから、僕が剣を隠し持っているなんて考えもしなかった」
「僧侶は武器による攻撃もある程度はできる職…。ただ、強力な敵相手に立ち回れるのは一部の優秀な僧侶だけだし、そんな人材は中々いないって考えてしまうのが普通さね」
「マスオ兄さんの動きにくそうな長いローブは、後衛職の僧侶であることを敵に強く印象づけると同時に、剣を隠すベールとしても機能していたのか…!」
「そして、僕の剣は君にとって最悪だった。なにせ天敵だからね」
「早川さん、あの剣は…」
「ゾンビキラー。戦士でも扱うことが難しい剣だし、僧侶であの剣を扱うとなると、どれだけの修練が必要か分からないさね…」
「…二つ目は自分自身を知らなかったことだ。カツオくんの先生につけてもらったその義手、かなり便利なようだが、実は装着者を不浄なる者に変えることで初めて義手として機能するものなんだ。君は自身の体の変化に気づいていないようだったが」
「不浄なる者って…」
「腐った死体やリビングデッドみたいな生ける屍の同類ってことさね」
「僕も文献で読んだだけだから、確証はなかったけどね。だから確認させてもらった」
「ぐっ…投げた瓶は聖水だったか……」
「そ、そうか!聖水は不浄なる者に反応するから…!」
「聖水がかかった部分がわずかに溶けたのを見て、確信したよ。君の肉体はすでに生ける屍になっていると」
「そして、ゾンビキラーは生ける屍を抹殺するために聖なる祝福を受けた剣…。不浄なる者に極めて高いダメージを与えることができるのさね」
「ううっ、ノリスケおじさん、気の毒すぎるよ、運が無さすぎるよ…。相性最悪じゃないか…」
「それでも、この剣を抜くことは一つの賭けだった。僕はサザエほど剣の扱いが上手くないからね。君を限界まで近づける必要があったし、一撃目が外れていたら、死んでいたのは僕の方だったかもしれない」
「……腐った死体か…。知ってれば、僧侶相手に警戒もできたのに…。あのイカレ教師、騙しやがって…。ぐっ、マスオさん…、あいつを殺してくれよな…。頼むよ…」
「そのつもりさ」
「これで僕もタイ子のとこに逝けるか…」
「そのままじゃ無理だな。君は頭を潰されない限り、死なない体なんだから」
「じゃあマスオさん、最期の頼みだ…。僕n」
「もちろん潰すさ」
「あバっ」
「え、えげつねぇ……。有無を言わさず潰すなんて…。ノリスケおじさんの最期の言葉の途中だったのに…」
「あぁ、三つ目を言い忘れたな―。」


次回を待て!